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飯ごうの手入れ
 
☆手入れ
すすのついた飯ごうは洗うのが大変だが、飯ごうがまだ熱いうちに、飯ごうの回りを新聞紙や草などでごしごし擦ってやると、吹きこぼれやすすはきれいに取れてしまう。あとは水洗いだけで充分なのだ。
飯ごうを火にかける前に石鹸水(クレンザーを水で溶いた物)を飯ごうの回りに塗っておくと、水洗いの際、きれいにすすが取れる。
飯ごうの内部が焦げたときは、細かい砂を飯ごうに入れ、たわしやスポンジで擦ってやると、結構きれいになるものだ。
洗い終わった飯ごうは、内部まで乾燥させてから蓋をしめて収納する。内部が湿っていると、カビが発生しやすくなり、異臭が付着することもある。
☆洗剤
洗剤は必ず石鹸を使用すること。合成洗剤は絶対に使用してはならない。合成洗剤を使用した場合、飯ごう内部にできた細かい傷の中に、人体に有害な物質が残留し、次回飯ごうを使用した際に、この有害物質が湧出して人体に取り込まれてしまうのである。
合成洗剤は河川や海を汚染し、生態系を破壊し、人の健康を蝕む、きわめて恐ろしい物質である。家庭や職場においても合成洗剤を使用しないことは、人類としてこの地球に生きる我々の、最低限の義務ではなかろうか。
石鹸は昔から使われているもので、環境や人にあまり害を与えない物質である。ところが、多くの日本人は、合成洗剤と石鹸の違いに関する知識をほとんど持っておらず、河川に発生する泡は、石鹸による影響だと考えている人も多い。石鹸と、合成洗剤は全く違う物質なのである。
 
何故飯ごうを逆さまにするようになったのか
 
 飯ごうは元々、軍事用の弁当箱として使われていた。旧日本軍の使っていた飯ごうには、「将校飯盒」と「下士兵飯盒」があり、将校飯盒は角形、下士兵飯盒が現在使われている湾曲した形だった。なぜ湾曲しているかというと、飯盒で飯を炊き、そのまま腰の弾帯(弾薬ケースやその他のものをつける丈夫なベルト)に付けて、移動中や戦闘中でも食べられるようにしていたのである。
 登山をする人たちは、同じように飯ごうに飯を入れ山に持っていった。長い山歩きの場合には、途中で飯ごうを使って飯を炊き、そのまま弁当箱として使っていたのだ。特に、高い山の尾根筋を縦走する場合などは、限られた水しか使えない。そのため、飯ごうを洗うことができなかった。(これは軍隊でも同じ)そこから生まれたのが、炊きあがった飯ごうを逆さまにして、熱いうちに草や木の葉で、すすや吹きこぼれなどの汚れを擦り落とすことだったのである。そして汚れを擦り落とした後、そのままの状態で蒸らしていたのだ。
 戦後、軍隊経験者や登山者達が、地域でキャンプの指導や飯ごう炊さんの指導を行った際、当然の事ながらこの手法が伝えられ、炊きあがったらひっくり返して飯ごうの汚れを落とし、そのままの状態で蒸らすことが広く伝わり、そうすることが当たり前になっていった。
 ところが、時の流れの中で、いつの間にかこのひっくり返すことと蒸らすことがくっつき、本来の目的である、「飯ごうが熱いうちに汚れをこすり取る」部分が伝えられなくなってしまったのである。この結果、ボーイスカウトやキャンプ講習会、子供会キャンプなどでも、「飯ごうをひっくり返して蒸らす」事が常識としてまかり通るようになり、挙げ句の果てはひっくり返した飯ごうの底を棒で叩くなどという誤った方法が広められていった。
 結論としては、おいしいご飯を食べたいと思うなら、ひっくり返さずに蒸らし、飯ごうの汚れを完全に落とすことを重要視して、ご飯の味を犠牲にするならひっくり返せばいいのである。
 
 
 なお、飯ごうは元々、弁当箱としての用途も併せ持って作られた物なので、炊飯道具としては非常に使いにくく、非効率的な道具なので、アウトドアでのクッキングでは、ハードコッヘルなどの鍋型調理器具、または丸形飯ごうなどを使うことをお勧めする。なお、鋳物製のダッチオーブンで飯を炊くと、特に使い始めは鉄の臭いがご飯に移り、あまりおいしいご飯にならない。
文責  ガキ大将・スクール  黛 徳男
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アウトドア読み物>飯ごう飯の炊き方 2:手入れ・豆知識